2023年8月10日木曜日

根本原因分析



 

根本原因分析は、問題を正確に定義することに次いで、品質マネジメントにおける問題解決の最も重要な要素の一つである。なぜなら、正しいターゲットを狙わなければ、品質に支障をきたしている真の問題を取り除くことができないからである。
生産ノルマを達成するために重要な機械のダウンタイムが増加しているというシナリオを想像してほしい。調査の結果、ミスアライメントの問題により、オペレーターが機械を調整し続けなければならないことが判明した。さらに深く掘り下げると、アライメントの問題自体が、交換時期を迎えているシールの摩耗の結果であることが判明する。
しかし、シールの交換から3ヵ月後、本当の根本的原因は、1台の機械のメンテナンスの問題だけではなかったことがわかった。ダウンタイムが着実に忍び寄るにつれ、あなたは、予防メンテナン ス・プログラムが、複数の機械のシール交換を把握していないことに気づいた。
その結果、当初は1台の機械の問題であったものが、複数の分野で生産性を低下させている。しかも、受注が急増し、これまでで最大の契約を獲得した矢先のことである。
実際、アバディーンの調査によると、機械のダウンタイムが企業に与えるコストは、1時間あたり平均26万ドル11。予定より遅れて急いで生産を再開した場合、品質が低下する可能性があることは言うまでもない。
もし、根本原因分析プロセスがもう一歩進んでいれば、ダウンタイムの真の原因 を、ただ特定するのではなく、もっと早い段階で特定できたかもしれない。

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