2023年9月5日火曜日

食品安全ハンドブック

 

毎年、世界中で何百万人もの人々が深刻な食中毒に苦しんでいる。
世界人口が2050年までに90億人に達すると予測される中、食の安全はこれまで以上に喫緊の課題となっている。安全な食品への要求は高まり、世界の食品サプライチェーンを圧迫している。
健康リスクに加えて、食中毒は多大な経済的損害をもたらす。世界銀行が2018年に発表した報告書「The Safe Food Imperative」によると、食品安全の問題によって発展途上国が被る損失は、2016年だけで生産性損失と治療費で1,100億ドルという途方もない額にのぼると推定されている。
たった一度の深刻な食品安全の失態が、レストラン、ホテル、食品製造・加工業者のブランドを大きく傷つける可能性があり、その修復には何年もの投資と信頼構築が必要となる。
良いニュースは、特に組織的に取り組めば、ほとんどの食品安全問題は予防可能であるということだ。厳格な食品安全システムを確立している企業は、事業拡大や投資誘致にも有利な立場にある。2010年から18年にかけて実施された調査では、国際金融公社(IFC)の顧客企業約27社が、売上高4億7800万ドル、投資額5億6400万ドルの増加の要因を、より良い食品安全の実践に求めている。
IFCの食品安全ハンドブック堅牢な食品安全管理システム構築のための実践的ガイド』は、業界をリードする専門家の意見を取り入れ、消費者や企業の収益に影響を及ぼすはるか前に、食品サプライ・チェーン全体の問題を特定し、排除することを目的としている。
このハンドブックは、食品安全システムを開発または改善しようとする企業経営者を対象とした実践的な指導書である。規模、場所、食品製造チェーン上の地点を問わず、このハンドブックの規則と教訓を適用して、食品安全への体系的なアプローチを確立することができる。ハンドブックのテンプレートは、特定のニーズに合わせてカスタマイズすることもできる。
このハンドブックは、アフリカ、アジア、ヨーロッパの食品部門企業で成功を収めており、前提条件となるプログラム、危害分析重要管理点(HACCP)システム、食品安全管理システムの文書化、国際的なベストプラクティスと法律、トップマネジメントのためのガイダンスなどを網羅した実践的情報を提供している。

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