監査

 監査は、効果的なプロセス安全マネジメントプログラムの基本的な部分である。その目的は、プロセス安全を管理するシステムが整備され、効果的に機能していることを検証することにあるからである。 監査要素はまた、それが効果的に機能することを確実にするための管理システム、特にアクションアイテムのフォローアップを備えている必要がある。 同様に重要なことは、監査員が効果的な監査を行うための適切なスキルとツールを有していることである。

プロセス安全管理システムの包括的な監査は、さまざまなアプローチで実施することができる。 本書は、中小企業から国際企業まで、さまざまな企業のニーズに対応した監査プログラムを開発するための選択肢を提供する。 本書では、監査の基本的なスキル、テクニック、ツール、および監査員が施設プログラムに求めるべき優れたプロセス安全管理システムの特徴についても取り上げている。

監査中に収集し評価しなければならない情報は、施設やプロセスによってかなり異なる。 

米国化学工学会の化学プロセス安全センター（CCPS） は、以前の出版物の中で、プロセス安全管理の12 の要素を定義した。 包括的なプロセス安全管理プログラムには、これら12の要素にそれぞれ対応する管理システムが必要である。 CCPSによって定義された12の要素（表1-1に記載）は、プロセス安全管理に関する他の最近の研究で表現されたものと基本的に類似した概念を表現する一つの方法である。

監査は、12 の CCPS プロセス安全管理要素の一つである。 これは、他の要素の管理制御に寄与するという点で、重要な要素である。 健全なプロセス安全管理監査プログラムは、プロセス安全プログラム全体の有効性を向上させる。

プロセス安全管理監査の議論では、用語の混乱が生じるかもしれない。 「監査」は様々な文脈で様々な種類の活動を表現するために使用されており、「プロセス安全管理」はまだ比較的新しい用語である。 本書では、以下の定義を用いる：

- 監査は、確立されたガイドラインまたは基準への適合性を検証するための、体系的で独立したレビューである。 監査は、一貫性を確保し、監査人が擁護可能な結論に達することができるよう、明確に定義された審査プロセスを採用している。

- 検査とは、施設を物理的に検査するプロセスである。