食品汚染事象や食中毒発生事例から学ぶことは、食品安全システムの弱点を明らかにすることに役立ち、真に予防に基づいたシステムの基礎となる特性である。食中毒の調査方法は、ますますグローバル化する食品供給におけるハザード、技術、食品生産、加工、流通システムの変化に合わせて進化し続けている。しかし、食品汚染の根本原因を特定するための調査方法は、食品業界、規制機関、学術機関、その他の主要な利害関係者グループ間でまだ統一されていない。
根本原因分析(RCA)-航空事故、患者の安全問題、その他様々な産業における問題の調査によく用いられる- の要素は、食中毒の多くの調査に取り入れられている。
である。RCA の効果的な実行とコミュニケーションは、食品生産者、規制当局、および非規制当局、そして消費者間の協力、 信頼、および知識の共有を促進することができる。また、RCAはビジネス上も理にかなっている。というのも、円滑に稼動しているオペレーションは、ダウンタイムが少なく、品質や安全性に関する問題が少なく、従業員の士気も向上するからである。
本ガイドブックの目的は、食品オペレーション及び安全規制当局によるRCAの使用、並びにこれらの調査から得られた情報及び教訓の共有を奨励することにより、食品安全を向上させることである。食品事業には、製造および生産施設、農場、レストラン、ケータリング、あるいは食品を栽培、取扱、 加工、流通、調理、または提供するその他のあらゆる事業が含まれる。食品安全規制当局には、公衆衛生保護、検査、および食中毒の調査に従事する国、州、および地方の保健機 関が含まれる。
本ガイドブックは、他産業における RCA に関する研究、および食品を生産・販売する関係者、食品に対す る規制監督を行う関係者、および食中毒アウトブレイクの特定と解決に携わる関係者など、食品安全に関わる 主要な利害関係者による綿密な討議に基づいている。本ガイドには、効果的なRCAの実践方法が記載されており、これが日常的に使用されれば、食品安全の失敗から学んだ教訓を明らかにし、最終的には食中毒を予防するのに役立つであろう。本ガイドブックは、関係者がどのようにRCAの準備と実施、調査結果と結論の報告、再発防止のための教訓の適用を行うことができるかについてのアプローチと根拠を提供している。
調査担当者および管理者は、本ガイドを活用することが推奨される
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