国家リスク登録簿(NRR)は、国家安全保障リスク評価(NSRA)の外部版であり、英国が直面する最も深刻なリスクについての政府の評価である。
英国は、人命、健康、社会、重要インフラ、経済、主権に対する脅威など、広範かつ多様なリスクに直面している。リスクには、事故や自然災害のような悪意のないものもあれば、私たちに危害を加えようとする悪意のある主体による悪意のある脅威もある。
NRRに含まれる閾値を満たすリスクは、国家レベルで英国の安全、セキュリティ、および/または重要システムに実質的な影響を与えるものである。NRRには、9つのリスクテーマ(ただし、いくつかのリスクは複数のテーマに分類される可能性がある)内の89のリスクに関する情報が含まれている。以下はその例である:
- テロリズム
- サイバー
- 国家の脅威
- 地理的・外交的リスク
- 事故とシステム障害
- 自然・環境災害
- 人間、動物、植物の健康
- 社会的
- 紛争と不安定性
はじめに
NRRは、厳密かつ十分に検証された方法論(第2章参照)に従って、各リスクの可能性と影響を評価する。リスクはさまざまな形で現れ、深刻さのレベルも異なる。英国が幅広いシナリオに備えられるよう、NRRは各リスクについて「合理的な最悪のシナリオ」を設定している。これらのシナリオは、最も起こりそうなことを予測するものではなく、(可能性の低いバリエーションを一旦割り引いた上で)その特定のリスクの最も起こりうる最悪の事態を表すものである。これによって、関係機関は適切な計画を立てることができる。NRRには、万一リスクが顕在化した場合に、緊急事態に対応し、そこから回復するために必要な能力に関する情報も含まれている。
英国が直面するリスクはこれだけではない。NRRは、緊急対応が必要な個別の事象である「急性」リスクに焦点を当てている。さらに、英国はさまざまな深刻な「慢性」リスクに直面している。これは、経済、地域社会、生活様式、国家安全保障のいずれかを徐々に蝕んでいく長期的な課題である。NRRをレジリエンスの実務者が最も使いやすいものにするため、こうした「慢性」リスクはNRRには含まれていない。これは、こうしたリスクを特定し管理するための別個のプロセスの必要性を反映したものであり、政府もこれを重視している。統合的レビュー・リフレッシュ(Integrated Review Refresh)にあるように、政府は、以下のようなリスクを特定し、評価するための新しいプロセスを確立しようとしている。
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