プロジェクトマネジメント

 まえがき

プロジェクトに携わったことのある人なら誰でも、プロジェクトを成功させることが簡単な仕事ではないことに同意するだろう。その困難は、（極端な）遅延、（極端な）予算超過、不十分な成果、顧客の不満、プロジェクト・チームの高いストレス、その他の望ましくない結果となって現れる。これらの問題の原因は何だろうか？

プロジェクトは、4つの特徴、すなわち、人々のグループ、目標、限られた時間と資金、目標が達成されるかどうかに関する一定レベルの不確実性によって特徴づけられる。プロジェクト・マネジャーはこれらすべてに関わる。したがって、プロジェクトの監督・指揮は、決して簡単な仕事ではない。

プロジェクトはますます一般的になっている。また、DANSを含む非営利組織にも、プロジェクト・ベースの仕事のやり方が浸透してきている1。非営利組織におけるプロジェクトのルールは、営利組織におけるそれとは異なる。非営利組織では、政治的要因が特に重要な役割を果たす。そのため、商業的な側面が重要な役割を果たすプロジェクトと比べると、プロジェクトの成功はさらに難しくなる。プロジェクト・リーダーはこのことを認識し、政治的な駆け引きができるようにならなければならない。

ITプロジェクトを数年間経験した後、このハンドブックの著者は、ITプロジェクトが「通常の」プロジェクトとどう違うかをさらに強く意識するようになった。最も重要なことは、プロジェクトがよりダイナミックであるということであり、これにはメリットもデメリットもあるということである。ITプロジェクトには、建設、組織再編、その他のタイプのプロジェクトに適したアプローチとは、少なくとも部分的に異なるアプローチが必要であることを、私たちは立証しました。

このハンドブックは、DANSが実施するプロジェクトを対象としている。第1章では、「従来型」プロジェクトに適用できる作業方法を説明する。第2章では、ITプロジェクト、特にソフトウェア開発を伴うプロジェクトの作業方法について説明する。このハンドブックは、プロジェクトメンバー、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネジャー、ジェネラルマネジャー、プログラムマネジャー、顧客、プロジェクトパートナーが、DANSの中でそれぞれの役割をよりよく果たすための実践的なモデルを示している。